ラブルースト先生の建築教室

将来の仕事に迷っている中学生や高校生に、「建築」という仕事はどう?と勧めるためのブログです。

前回は、すまなかった。

やっぱり人間、初めての環境に入れば、それなりに動揺するさ。

 

アアルト君「先生、この授業、もう結構時間が経ってますよ。」

 

いや、私生活の問題だ。色々、蛇に襲われたり、マムシに足を噛まれたり、私も結構サバイバルしてるのだ。

 

前川君「先生は時々、脈絡の無い話をしますね。もう慣れましたけど。」

 

 

 

さて、君たち。君たちの目標は、どの辺にあるんだね?ちょっと聞いてみようか。ハディド君。

 

ハディド君「私は、世界中に、私が設計した建築物を、建てていきたいです。」

 

おお、さすが、このクラスは、目標が高いな。なんなんだ、このクラスは。

 

前川君「僕も、世界とはいかなかったとしても、日本中に僕の設計した建築物を残していきたいです。」

 

うーむ、君たちはまさに、一流を目指しているのだな。この世界で一流と言えば、やはり「建築家」だろう。「建築家」という言葉には、何か特別な響きがあるな。ちなみに私が目指すのは、「建築士」だ。

 

佐野君「どういう違いがあるんでっか?」

 

建築家は、一流。建築士は、二流、といったところか。目標が低いのとは、ちょっと違うと思うぞ。どっちも素晴らしい仕事なのだ。ただ言えるのは、私は分をわきまえている、ということだ。

 

ハディド君「私は、二流なんて嫌です。絶対一流になってみせます。」

 

いや、ハディド君、君たちを否定しているわけではない。ただ、君たちに知っておいて欲しいのは、一流になると、得るものは大きいが、失うものもそれなりに大きい、ということだ。私は、一流という言葉に、半信半疑なところがある。いけいけの押せ押せで、常に前進するのも悪くはないが、時には後ろを振り返る、ということも素敵なことではないかね?

 

ブオナロッティ君「先生の言うことも解ります。でも、僕たちは、創作意欲に溢れているんです。」

 

君たちの目標が、かなり高いところにあるのは、良く解った。では、こういうアドバイスをあげよう。「芸術は、決して独りよがりになっては、いけない。」受け手あっての、芸術だ。芸術は、単なるエゴの発露ではないのだということを、よく覚えておくように。

 

 

 

ハディド君「わかりました、先生。よく覚えておきます。」

 

 

ははは、君たちを固くさせてしまったな。いや、すまない。実は、つまるところ、私にはそれだけの芸術的素養が無い、というだけのことなのだ。そこがちゃんとわかっているのだ。でも、君たちのように、色々な建物を設計していきたいし、そこそこお金も欲しいし、それなりのステータスというものも手に入れたい。二流というのが、私にとって居心地の良い場所なだけなのだ。

 

ハディド君「はあ。」

 

 

あれ、そういえば、この学校、男子校じゃなかったのか。ハディド君、君の他に、この学校に女の子っていたっけか?

 

ハディド君「…いたような、いなかったような…。そのうち、出てくるんじゃないですか?」

 

何だね、その、「そのうち、出てくる」ってのは。まあいいか。今回は、これで終わり!