ラブルースト先生の建築教室

将来の仕事に迷っている中学生や高校生に、「建築」という仕事はどう?と勧めるためのブログです。

今回は、「聴覚と建築」についてです。

皆さんは、マンションに住んでいますか?それとも一軒家に住んでいますか?

 

隣の部屋、隣の家の物音に、辟易としている人はいませんか?

 

 

「建築」と「音」というのは、非常に難しい問題なんです。

 

「音」に対する、「建築」の対処法としては、「防音」があります。遮音・吸音・消音・防振といったものの総称を、「防音」と言います。

 

防音には特に、遮音と吸音の両方が必要であり、そのバランスも大切である。例えば、リスニングルームなどの部屋では、遮音性能だけを高めると、室内に音がビンビン鳴り響いてしまう。逆に、吸音性能だけを高めると、エコーの無い部屋となり、室外へ音が漏れていく。

 

ここに、防音材料というものがある。防音材には、遮音材・吸音材・制振材がある。

 

遮音材として安くて有効なのは石膏ボードである。構造用合板と組み合わせると効果的である。

 

吸音材として安くて有効なのは、繊維系断熱材である。グラスウール・ロックウールなどが有名である。吸音材は、以下の3つに大きく分けられる。

①多孔質

小さい穴がたくさん開いている繊維状のものやスポンジ状のもの。グラスウール、ウレタンなど。

②振動板系

フィルム・シート・板などを振動させてやることにより吸音させる材料。

③共鳴型系

共鳴現象を利用し、空気自体を激しく振動させ、摩擦熱で音のエネルギーを消費させる。パンチングボードや有孔ボードなど。

 

制振材は、固体音に対するエネルギー吸収の目的で使用される材料である。ゴム系・プラスチック系・アスファルト系などが代表的である。ガラス転移点、つまり、ガラスが液体から固体に移り変わるときのことであるが、その付近での粘弾性を利用したものであり、非拘束タイプと拘束タイプに分けられる。

①非拘束タイプ

粘弾性層の伸び縮みを利用して、加振エネルギーを吸収する。

②拘束タイプ

粘弾性層の両端が、基板と拘束層の二界面で固定されている。層間のずれ(せん断歪)を利用することで、加振エネルギーを吸収する。

 

 

…、とまあ、聞いてても解らないよね。

 

ブオナロッティ君「先生、言っている意味が、全く解りません!」

 

おっと、ブオナロッティ君。生徒を代表して、突っこみを入れてくれたね。さすが学級委員長。でもね、私もちょっとエンジンが掛かってきたんだ。このまま進んで行くぞ。

 

生徒一同「え~~~。」

 

 

音を発すると、室内の床・壁・天井などで反射を繰り返すため、音を停止してからも室内に音が残る。こうした現象を、残響と呼ぶ。残響時間の長短は、室内の音響状態を示す重要な指標になる。音楽ホールや劇場などの客席では、非常に留意しなければならない項目である。

 

残響時間は、室容積に比例し、室内の吸音力に反比例する。つまり、室容積が大きい程、音は良く響き、吸音材で室内の吸音力が上がるたびに、音は響かなくなる、ということだね。これは理解できるかな?

 

遮音性能は、透過損失という指標によって評価される。基本的には、材料の密度や厚さが大きくなるほど遮音性能は高まる。それだけ音を通しにくくなるわけだ。ただし、壁体が音と共鳴してしまう周波数が存在するため、そうした周波数では、透過損失が低下し、音を多く通してしまうのである。

 

前川君「先生、言ってることが解りません。」

 

き、君っ!これでも噛み砕いて話してるのだよ。

 

前川君「僕たちまだティーンですよ。もっとわかりやすく説明してくださいよ。」

 

……そうか、解りにくいか。いや、いやいや、生徒諸君、君たちは、先生がどんなに解りにくく説明をしようと、それに付いて来なければならない。この授業という時間を、1秒たりとも無駄にしてはいけないのだよ。わからなければ、エッセンスだけでも頭に入れて、家で復習するでも何でもしたらよい。人生サバイバルだ。どんなものでも、工夫して自分のものにして、駆け上がっていくぐらいの気概を持たなければいかん。

 

佐野君「先生、そんな~。わて、あほなんやで。もっとわかりやすく説明してや。」

 

…うーむ、解りやすくしているつもりはあるのだが…。…分かった、私も少しずつ、解りやすい授業を心掛ける。でもとりあえずは、だ。自分たちでどんな内容でも、身に着くものを得ようとする心構えを持ちたまえ。例え、私の授業が、漢文のように分かりにくくてもな。

 

一同「そんな~。」

 

はっはっはっ。頑張りたまえ。では最後に補足事項を付け加えよう。音響には、特別な現象が起こることがある。たとえば、フラッターエコー。並行して相対する反射面があると、音が同じ経路を往復反射して、同じ音が繰り返し聞こえる現象だ。また、デッドスポットと呼ばれるものもある。室内が凹曲面で構成されていると、特定の場所で音圧が極端に弱くなり、そこでは音が聞こえなくなる場所、ということだ。

 

これらはどちらも、室内音響としては、好ましくない現象だ。これを防止するためには、天井面や壁面に音を拡散させるような凹凸形状を作り出すことなどが考えられる。

 

劇場で音楽を聴いてて、同じ音が繰り返し聞こえたり、音が聞こえなくなったりしたら、困るだろ?そういうのは、防がなければいけないのである。

 

 

一同「せんせい、わかんなーい。」

 

 

 

……お前ら、わざとやってないか???