ラブルースト先生の建築教室

将来の仕事に迷っている中学生や高校生に、「建築」という仕事はどう?と勧めるためのブログです。

何となくだが、

私は、全盛期が過ぎてしまったかな、と思うのだ。

 

佐野君「はあ?またいきなりですが、どういうことでっか?」

 

実はな、私の人生には、今まで2回全盛期があってな。1回目は、大学に入ってからの、約2年間だ。この時は、今から振り返っても、かなり凄かった。授業をさぼって、サークル、バイト、読書、映画などにどっぷりのめり込んでいた時期だ。いや、私は割と、人生の大方において、かなりテンションの高い生き方をしてきているのだが、やはりこの頃は、凄い。時速300㎞のジェットコースターに乗って、毎日を過ごしているような時期だった。

 

ライト君「危ないですね。大丈夫だったんですか?」

 

大丈夫じゃなかった。その反動というものは、やはり凄かったんだな。だが、この時の私が、今の私を形成している、と言っても過言ではない。

 

ロジャース君「2回目はいつですか?」

 

私が建築の世界に入って、3年半建設現場で自分を磨いていた時だ。つい最近だな。この時の私も、なんだか神懸っていたな。建築経験ゼロの私が、建設現場で縦横無尽に駆け回り、次々と仕事を遂行していった。あの時の仕事の遂行度を金銭に換算すれば、物凄い額になるのではないか、とも思うんだが、所詮は建築素人の、派遣や下請けの身。給料のアップになんて繋がらないんだな。それにいい加減嫌気が差して、その会社を辞めてしまったんだがな。それで今に至るわけだ。

 

ピアノ君「3回目は来るんですかね~?」

 

わからない。が、来る気はする。が、あまり来て欲しくもない。この2つの時期は、確かに振り返れば、物凄いことをしていた時期なのだが、それと共に大きな痛みを伴った時期でもあったのだ。人間、生きていれば、必ず痛みを伴うものだが、それの度を越してはいけない、と思うのだ。特に私の場合は、周囲の人を巻き込んで、物事を遂行していく、という気質があるために、周囲の人にも、そういう痛みを感じさせてしまうのだな。これは全く良くない。

 

ハディド君「そうは言っても、仕事ですもの。周りの人を巻き込んで仕事をしていくのは、当然ですわ。そんな人、いくらでもいますよ。」

 

ん~、そうか。まあ、そうは言っても、そういう一生懸命な時期は、楽しくもあるのだがな。粋な努力をタダで売る、というのは、やはりなかなかに乙なものだぞ。

 

前川君「はあ、そうですか。でも、先生ぐらいの歳になったら、そうも言ってられないんじゃないですか?」

 

そうなんだよな。仕事というものは、結局「楽しさ」とか「やりがい」よりは、「お金」が重要なんだな。自分を犠牲にしたからって、お金が入るわけじゃない。努力したからって、お金が入るわけじゃない。問題は、いかに「お金」に愛されるか、ということだ。

 

ローエ君「どうやって愛されればいいんすか?」

 

まずは、「お金」を愛することだな。

 

ローエ君「俺は、「お金」、愛してるっすよ。」

 

じゃあ、その次は、「お金」とどう付き合っていくか、常に考え続けることだ。

 

ハディド君「…先生。そんなことでお金が入ってくるとは、思えませんが?」

 

入って来なければ、手持ちのお金をどう増やすかを、考えればいい。手持ちのお金が無くなったら、とにかくお金を手に入れなければならない。実に流動的なのだよ。

 

前川君「なんか、役に立つような、立たないような…。」

 

まあ、一言で言えば、一攫千金など、夢見ないことだ。試しに、宝くじで一億円当ててみると良い。後に振り返れば、きっと10万円ぐらいの価値しかなかったと、気付くだろう。

 

ブオナロッティ君「…今日の授業は、経済学ですか?」

 

いや、建築学だ。お金に関することは、建築でもかなり重要な意味を持つ。君たちも、お金のことは、常に真剣に考えるように!では今日の授業はこの辺で!

前にもちょっと言ったが、

私は昔、「アンクル・チャッキーの名盤紹介」というブログを書いていた。前にもちょっと言ったが、これがなかなかの文章でな。君たちにも是非読んで欲しいと思うのだ。これで当分の間、飽きないと思うぞ。

 

ピアノ君「せんせい、昔の自分の自慢をしているようじゃ、大物になれませんよぅ。」

 

ん?そうか。まあ、これぐらい許してくれ。色んな名盤を紹介したが、その中でも私自身が特に印象に残ってるのが、ジェフ・バックリィとか、ブルース・スプリングスティーンとかなんだが、まあなんだな、やっぱり一番は、デヴィッド・ボウイだな。『ステイション・トゥ・ステイション』。これがベストだ。

 

ライト君「先生、建築…。」

 

お、悪い悪い。では、授業と行くか。前にもちょっと言ったが、私は今、東京というものに、強く惹かれている。2連休だの、3連休だのというときには、足繁く東京へ行き、東京を練り歩いているのだ。

 

ローエ君「ああ、なんか言ってたっすね。ほんとに実行してたんすね。」

 

おお、実行してるとも。東京のいいところは、いい加減にぶらぶら歩いてても、何かしら名所にぶち当たる、というところだ。これは、実に楽しいぞ。この前は、目白通りをぶらぶら歩き、東京カテドラル聖マリア大聖堂に行った。まあ、これはある程度、目星をつけて歩いたんだがね。…しかし、凄かった。予想をはるかに超えていた。というか、これを作った丹下健三の頭の中が、理解できなかった。どんな頭の構造してたら、あんな建物を考えつくのか…。

 

ブオナロッティ君「僕も前、観に行きました。僕は、了解の範囲内でしたけど。」

 

何?君は本当に天才だな。学級委員長になるべくしてなったというところか。しかしなあ、私もあと10年、20年修業を積めば、ああいうものも理解できるのではないか、とちょっと期待しているのだ。音楽話に戻るが、私が初めてジミー・ペイジを聴いた時も、同じような感じだったのだ。理解の範囲外というやつだ。初めて聴いたのが、高校生の時。それからもう…、20年近くなるが、最近ようやく、レッド・ツェッペリンが、私の理解の範囲内に落ち着いてきたのだ。とにかく20年間、執拗に聴き続けたからな。そういうものなのだ。何でも、時間をとにかくかければ、ものにすることが出来る。それを好きでい続けられたならばね。私は、音楽を聴くことで、そういうことも学んできたのだ。それを仕事にも生かす、ということだ。

 

ロジャース君「もう、ロックは、レッド・ツェッペリンで終止符ですか?」

 

いや、それがな。新たなターゲットを見つけたのだ。最近、ノーベル文学賞を取った人だ。

 

佐野君「大江健三郎でっか?」

 

違う違う。あれはロックじゃなくて、デスメタルだ。私が言ってるのは、正統派のロッカー、ボブ・ディランだ。

 

ハディド君「えー、おじんくさい。」

 

そんなこと無いぞ。この人は、ロック界で、間違いなく最高峰だ。最高峰はジミ・ヘンドリックスでもなく、ジョン・レノンでもなく、ボブ・ディランだ。

 

ライト君「せんせーい、建築に戻ってくださーい。」

 

ん、そうか。乗ってきたところだったんだがな。うむ、で、そのカテドラル教会でな、ミサに参加してきたんだよ。何というか、私はキリスト教の儀式というものに、初めて参加したんだがな、なんか場違いな感じがしてきたのだ。私はどの宗教も信じてはいないんだが、よくよく考えてみると、私は結構神頼みというものをするなあ、と思ってな。その時何となくイメージする神様というのは、イエス・キリストではなく、日本の神様なんだな。なんだかんだで私は日本人なんだなあ、と。

 

前川君「神道ですか?なんか建築からまた逸れてきましたね。」

 

まあ、いいのだ。全てのことは繋がっているのだ。それで私は、『イチから知りたい!神道の本』という本を帰りがけに買ってな。神道を一から学んでみているところなのだ。

 

ピアノ君「神様なんて実際いるんですかね~。」

 

それがな、こういうのは、割と馬鹿にしたもんじゃない、と思うのだ。この世には、自然の法則、というものがあるだろ?そういうのを理論的に説明するものが、数学とか理学なのだと思うが、果たしてその数式だけで、この世の中を定義づけられるのか、という話なのだ。その数式を超えたところに、神というか、仏というか、そういうものがいるんだろうな、と何となく思うのだ。

 

ローエ君「なんか、今日の授業は、ジェットコースターっすねえ。」

 

勿論私も、宗教にどっぷり浸かるつもりはない。でも、建築だろうが、音楽だろうが、どんなものにも、理論を超えたところに神様が宿っている、と考えるのは、ちょっと子供っぽいかもしれないが、世の中がちょっとだけ楽しく見えることだと思わないかね?

 

ローエ君「俺、先生に賛成っす。世の中楽しんだもん勝ちっすよね!」

 

う、うーん、そういうのとはまた、ちょっと違う気もするが、…まあ、そういうこととも言えるか。そうだよな、授業も何でも楽しんだもん勝ちだよな!

 

 

 

ブオナロッティ君「授業は授業です。ちゃんと教師としての仕事を全うしてください。」

 

 

 

………はい。…さすが、学級委員長…。

 

 

(終わり)

久々に、授業を再開する。

アアルト君「勝ちましたね~、浦和学院。」

 

ああ。試合に勝って、勝負に負けた。

 

ハディド君「は?」

 

いや、何でもない。まあそんな昔のことは、もういいのだ。君たちにも言いたいのだが、昔のことばかり気にしてないで、未来に目を向けるのが、重要だぞ。

 

ライト君「はあ。」

 

ところでだ。私は今、非常に困っている。うちのヘチマがしおれかかっているのだ。

 

ローエ君「水をあげればいいじゃないすか。」

 

それがな、このヘチマがへちゃむくれでな。栄養分をたんまり溶かした水じゃないと、元気になってくれないのだ。

 

ハディド君「そんなヘチマありませんよ。ただ水をあげればいいんです。塩でも溶かしたんじゃないですか??」

 

う、まあ、思い当たる節が無いでもないが…。ただな、私はこのヘチマに、それほど期待してないのだ。どちらかと言えば、隣の家の庭のトマトやキュウリに目が行ってしまう。

 

ピアノ君「ヘチマ君が、かわいそうです~。」

 

なんというかね。そのヘチマは、ちょっと勘違いしているのだ。ヘチマは、キュウリやトマトと違って、食べられないだろ?そんなヘチマに熱心に水をやり続ける育て主というのは、この世にはごく少数しかいないのだ。いや、いないと言ってもいいかもしれない。

 

ロジャース君「先生は、それでも水をあげる人だと思っていましたが?」

 

そこが、辛いのだ。私は、一般の人間だ。自分の得になる、と思うものにしか、結局水は与えないのだ。しかしそのヘチマには、昔ついうっかり水を与えすぎてな。そのヘチマは、人間というものは、無償でこんなにも水を与えてくれるものなのだ、とインプットされてしまったらしい。だから、無償で水を与えてくれないごく普通の人間に、うんざりしてしまうようなのだ。

 

前川君「それで、先生はそのヘチマを、どうするんですか。」

 

実はな、うちの庭に今生えている植物は、ヘチマしかないのだ。だから、水をやるかもしれない。ただ、今はそうだ、というだけだ。そのうち、スイカやメロンの種を植えるかもしれない。そうなったら、ヘチマには、水をあげなくなるかもしれない。

 

ピアノ君「うう…。ヘチマ君の人生って一体…。」

 

ただな、このヘチマは、根性だけは凄いのだ。どんな雨嵐に会っても、ここまで生き延びてきた。この根性は、私は大いに評価している。

 

ハディド君「全く、勝手な人ですね!」

 

いや、すまん。私は結局、こんなものなのだ。ただ、長年私の庭に居続けてきた、ということで、愛着があるのは確かだ。変な期待をされているのがちょっとばかし辛いが、元気な姿が見られるのは、嬉しいことだと思っている。

 

ピアノ君「うう…、ヘチマ君…。」

 

おっと、今日はなぜか、ヘチマ話になってしまったな。次回はちゃんと授業するからな!ではまた!

 

 

 

一同「嘘だぁ~。」

 

 

(終わり)

浦和学院vs仙台育英、因縁の対決。

私は、高校野球が割と好きでな。青春の極致だと思うのだ。激しい熱戦の後の、嬉し涙と悔し涙には、本当にグッとくるものがあるぞ。

 

前川君「冒頭の、浦和…ってのは何なんですか?」

 

浦和学院は、私の地元の高校だ。知っての通り、甲子園の常連校でな。わが市の誇りなのだ。この高校が、5年前の2013年に、春のセンバツ大会で初の全国優勝を果たしたのだ。しかしな、甲子園というのは、夏が本当の大舞台だ。その年の夏、浦和学院は甲子園出場を果たしたが、1回戦で仙台育英と当たった。この仙台育英というのも、甲子園の常連校でな。両校とも初回から大量得点を挙げて、9回表終了時には、なんと10対10だったのだ。そして、9回裏の攻撃は、仙台育英浦和学院は、2人を打ち取って、2アウト。…野球が2アウトからというのは本当だな。その後浦和学院は、2本続けて仙台育英にヒットを打たれ、サヨナラ負けだ。甲子園史に残る、名勝負だったよ…。

 

佐野君「その2校が、今年も1回戦で当たるんやね。」

 

そうなのだ。この2校は、本当に実力が拮抗している。だから、自然と面白い試合になってしまうのだ。

 

アアルト君「今回の見どころはどこですか?」

 

今年の浦和学院は、強い。南埼玉大会を見ていたが、投手が抜群だ。それに加えて、打撃も強い。南埼玉大会では、大量得点を挙げて、他校を全く寄せ付けなかった。仙台育英の方はよくわからないが、継投が持ち味らしい。仙台育英の勝負強さは、ピカイチだと私は見ている。もし、接戦になったら、怖いものがあるな。

 

ピアノ君「試合はいつなんですか~?」

 

12日の第2試合だ。お盆の真っ最中だから、ゆっくり家でテレビで見れるぞ。私はな、5年前の夏というのは、あることの渦中にいた時期でな。それだけに、強烈に印象に残っている出来事だったのだ。だから、今回のこの対戦にも、一目置いているのだ。私は、この試合で、仙台育英が勝ったら、仙台に住んでもいいと思っている。

 

佐野君「は、はぁ~?いきなり何言いだすんやろか。先生、仕事がこっちにあるやないですか。」

 

将来住む所というのは、結構頭を悩ます問題であってな。もういっそ高校野球で決めてしまおうかと思っているのだ。

 

ロジャース君「はあ?大丈夫ですか、先生?そんなことで決める人、この世にいないですよ。」

 

まあ、いいのだ。何とかなるのが、この世の中なのだ。まあ、それぐらいの気概を持って色々なものに接した方が、世の中面白いと思ってな。では、みんな、12日は、要チェックだぞ。それではまた!

 

 

うーん、

この授業が全く進まないのは、私が悪いのか、君たちが悪いのか…。

 

前川君「先生が悪いに決まってるじゃないですか!何生徒のせいにしようとしてるんですか!」

 

う、うむ。私としては、ベストを尽くしてるつもりなんだが…。

 

ブオナロッティ君「先生は好きなこと喋って、生徒に気を使わせてますね。反省すべきですよ。」

 

うーむ、そうなのか。すまんな。では今日は真面目に授業をしよう。君たちの中で、将来独立してやっていきたいと思っているもの、手を挙げて。

 

一同、の一部「はーい。」

 

おお、大半がそうか。でも手を挙げなかったものもいるな。ん?ロジャース君、君は独立しないのかね?

 

ロジャース君「僕はそんなに能力無いんで…。」

 

そう卑下することはない。でも、そう思っていたとしても、君は結構まともなことを、言っているのだぞ。この世界では、本当に建築が好きな人間が、五万といる。子供の頃から、絵を描くのが好きだったり、プラモデルを作るのが好きだったりした人間がな。だがな、そういうものたちの多くが、上を、上を目指すのだが、その多くが挫折をしていく。何故か?

 

ブオナロッティ君「競争が厳しすぎるんですか?」

 

うーん、そういう面もあるが、割と仕事はあるんだ。ただ、自分がやりたいと思う仕事にありつけない。そういう感じなのだ。そしてそういう仕事が、やたらハードなのである。独立してやっていきたいと思っている者たちは、割と自分のやりたいようにやっていきたいと思っているものが多いと思う。だが、そう思い通りにいかないのが、この世界なのだ。下手な希望は持たない方が、上手くやっていける、とも言える。厳しい言い方だがね。

 

ロジャース君「先生は、そういう希望を持ってないんですか?」

 

持っていない。というか、持たないようにしている。私は、子供の頃から、絵なんかほとんど書かなかったし、プラモデルも全然作らなかったし、建築の仕事をやるなんて、考えたこともなかったのだ。だから、そういう希望が生まれにくい、ということもあるが、私は、どんな仕事でも、仕事を出来ていること自体が、嬉しいのだ。自分で頑張った分が、給料として返って来る。この繰り返しだけで、私は十分満足している。

 

ロジャース君「つまらなくないですか?」

 

私は、建築の仕事が、つまらない、と思ったことは、無いんだよなあ。きついと思ったことはあったかもしれないが。大半が充実を感じている。

 

アアルト君「先生は、前職があったとの噂が…。」

 

うむ、あった。その仕事は…。…つまらなかった。ある人との出会いがきっかけで、私は、その仕事を辞める決心がついた。そして、その判断は、完全に正しかった。その人には、感謝してもしきれないぐらいだ。

 

ハディド君「生徒に責任転嫁してるようじゃあ、まだまだ。」

 

そうだなあ。全然まだまだだ。私に何ができるのかなあ。

 

ハディド君「ちゃんと授業すればいいんです!」

 

そうかあ。まあでも、私は気張るとろくなことが無いことも解ってきたから、気張らずにやっていくよ。それでもいいかね?

 

一同「へーい。」

 

うーむ、それじゃあ、今日はこの辺で。それにしても、君たちは本当に、協力的だなあ。感謝感謝。

いる…

のか…。まあ、そんな気もしてたがな。ちゃんと人生設計してるんだな。よし、今日は、人生設計の授業だ。

 

アアルト君「はあ?建築の設計じゃないんですか?」

 

その設計よりも、大切なものかもしれんぞ。君たちは、何歳で結婚したい?

 

前川君「27,8歳かなあ。」

 

佐野君「29くらいやろか。」

 

ハディド君「私は30になるまで、結婚しません!」

 

まあ色々いるよな。しかし、いくらそういう人生設計をしたところで、相手がいなくては、どうにもならん。相手の要求と、合致しなければならないのだ。そんな相手、見つかると思うか?

 

佐野君「いや…、自信はあらへんが…。」

 

ハディド君「私は見つけます!そのために、20代の間、最良の相手を、探しに探すんです!」

 

そうか。じゃあ、ハディド君に質問しよう。例えばだ。20代の内に付き合ってた人がいたとして、ハディド君が、この人とは結婚できない、と思ったとする。君はどうするかね?

 

ハディド君「もちろん別れて、別の男性を探しますわ。」

 

そうだな。では、その別れた男性が、何年後かに、ハディド君の理想の結婚相手の条件を満たして、再び現れたらどうする?その上、君はもう別の男性と、結婚していたとする。

 

ハディド君「それは、もう結婚してしまったんだから、離婚してまで、その理想の男性と結婚をしようとは、思いませんわ。」

 

そうなんだよな。多分、その別れた男は、遅咲きの人間だったのだ。遅咲きの人間は、若い時に苦労していることが多い。苦労しているとは、余裕が無い、ということだ。どうも女性は、余裕の無い男というものには、あまり惹かれないようだな。その男は、遅咲きだということで、ハディド君という魅力的な女性を、逃してしまったのである。男性諸君、これは悲しいことだと、思わないかね。

 

ローエ君「別に~。ハディドなら、別に悲しいことじゃないんじゃないの~。」

 

ハディド君「ロ、ローエ猿!お黙りなさい!」

 

まあまあ、喧嘩はしないように。男性諸君、人生の後半で成功を願うようなものもいるかもしれないが、やはり、どんな世界でも、若いうちに成功するというのは、その後の人生にも、様々な特典が付いて来るのだ。君たちには、是非、そうなって欲しい。

 

ローエ君「うぃ~、先生、なんかあったんすか?」

 

いや、まあな。私は34にもなって、まだ独り者なのだよ。以前はこれくらいで結婚できるかな、なんて思ったりもしていたが、いざこの歳になってみると、周りに女性すらいない。仕事の方は、軌道に乗り始めたのだが、なかなか人生上手くいかないなあ、と思ってな。まあ、何が起こるか、わからないのが人生だ。私は、最期の最期まで期待してみるがね。もうその先は…、天のみぞ知るってやつか。

 

佐野君「先生、大丈夫でっか~?わて、近所に住んでる綺麗なお姉さん知ってますよ。紹介してあげましょか?」

 

た、頼む。もうここまで来たら、何でもいいのだ。我に救いの手を~。

 

ハディド君「わ、最低~。見境の無くなった男ほど、哀れなものってないものですよ、先生。もうちょっとパリッとしてください。」

 

う、うむ。まあ、なんだな。私も色々人生設計のようなものを、していないようで、ちゃんとしているんだが、そういうのもことある毎に修正していかなければいけないようだな。建築の設計図もおんなじだ。修正するのが一番大変なのだ。では、上手くまとまったところで、今日はこの辺で。みんなの幸せを祈っているよ!

 

 

申し訳ないと思ってる。

「建築インプロヴィゼーション」は、なんだか私の強い部分が出てしまうようだな。こういうのも私には必要なんだろうが、そちらばかりに傾倒してしまうのも、あまりよくないようだ。やはり君たちと授業をしていた方が、楽しく過ごせるのだな~。

 

ハディド君「先生、これは授業ですよ。楽しんでばかりもいられない筈ですが?」

 

まあ、そう言うな、ハディド君。仕事には、どうしても乗り越えなければならない「壁」というのにぶち当たることがある。そういうのに対面した時に、ちゃんと乗り越えられるように、普段から準備をしておく、というのが、仕事の筋なのだ。でも毎日それじゃあ、神経が衰弱してしまうだろ?メリとハリ、なのだ。こういうのを使いこなせるようになるのが、大人になる、ということなのだよ、わかるかな?

 

ロジャース君「わかんないです。大人の事情なんて、知ったこっちゃないですよ。僕らはただ、建築を学びに来てるんです。」

 

そうか。その通りだったな。まあそこはちゃんと心得ることとして…、…それにしてもドライブというのは、なかなかに奥の知れないものだな。いや、今日、私は暗闇のドライブをしてな。免許を取ってから初めての、夜運転をしたのだ。いや、生きた心地しなかったよ。私は、免許もパスポートも持っているんだが、これら2つが身分証明書となっているのには、痛く納得だな。私はドライブと海外旅行に、同じものを強く感じるのである。それらがちゃんと出来ることは、やはり一人前の証なのだ。

 

ピアノ君「あの~、結局全然建築じゃないんですけど~。」

 

いや、すまんすまん。今日は私の「壁」の日だったのだ。ちょっと授業で、ガス抜きをさせてもらった。次こそは、ちゃんとやるからな。では、また次回!

 

 

 

一同「え~、ほんまかいな~。」